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2017-01-20 08:32:33テーマ:ブログ
 

旅編3
次の目的地はホピ・インディアンリザベーション
(インディアンの一部族ホピ族の人々が暮らす地域)です。
フェニックスから約230km向かうとフラッグスタッフという美しい街あり、
そこから100kmほど東に向かったウィンスローという小さな町で一泊することにしました。
 

 
 
その日の夕食はモーテル近くにスーパーがあったので、
そこでなにか買って部屋でとることになり、行ってみました。
お客さんも店員さんもインディアンと思われるモンゴロイド
ばっかり!居留地が近いことを肌で感じながら、
あまり美味しそうには見えない出来合いの食材を選びレジへ。
買うものの中にバーボンがあったんで、
 
レジ係の女性からIDの提示を求められました。
 
いつも若く見られることを
苦々しく思っている僕は、とっさに
 
「もう28才で、子供もおるねん!」
 
彼女は優しい口調で
 
「「とにかく見せて!」」と。
 
その会話を聞いていた周りの人たち全員がボクに注目!
パスポートを渡すと周囲の期待に応えるかのように、声に出して、
生年月日を読み上げました。(声にださんでええねん!)
 
それを聞いた周りの人たちから冷やかしの拍手がおこりました・・・
顔が赤くなるほど恥ずかしかったんですが、
拍手をしている人たちから悪意は感じられず、
その表情は初めて会った遠い親戚への親しみと優しさに
あふれていて、なぜか昭和時代の近所の人々とのつながりを
アメリカインディアンの世界で感じました。
不思議と心地よかったです。
 
僕は高校生の時波乗りをはじめ、ファッションも西海岸
サーフスタイルに傾倒していきました。
ブーツカットのジーンズにウエスタンシャツやメキシカンパーカ、
サラサラのマッシュルームヘアーは、無理でしたが
ターコイズのインディアンジュエリーには特にひかれました。
 
そこからインディアンの人たちの生き方に興味を持ち、
「ローリング・サンダー」(ダグ・ボイド著)というメディスンマンの物語を読み、
同じメディスンマンのことを違う角度から捉えた
「ネイティブマインド」(北山耕平著)と出会ったことで、
自然を敬い、恐れ、生き物の命を最小限ありがたくいただく、
インディアンの世界観が、日本の神道にも通じ、
より身近に感じられるようになりました。というのも、
ぼくは途絶えた社家の出身、つまりご先祖様は、
代々ある八幡神社の宮司(神主)を務めてきましたので、
 
神主=八百万の神々と人とのつなぎ役
 
メディスンマン=自然界の精霊(グレイトスピリッツ)と人とのつなぎ役。
 
そんなこともあり、実際に行ってみたかったんです。
 
翌朝、目的地セカンドメサまで、約90kmのドライブ。
そこは全く水分のないパフパフの土でできた台地。
最初に赤土のアドーベ造りの建物が見えてきて、
その看板にはホナニ・クラフツ・ギャラリーとあり、
ちゃんとした店構えやったんで入ってみました。
立派なインディアンジュエリーがびっしりと陳列してあり、
お店の人の説明を聞きながら商品に見入っていると、
外でなにやら変わった鳴き声?がしたんです。すると店員さん、
 
「もう、あの人昨日来た時、ちゃんと道を教えてやったのに、また戻ってきてしまったのね!」
 
みたいなことをいいながら外に出て行ったんで、ボクもつられて出て行ってみると、
白い馬にまたがった白人のおっちゃん!
思わず、うっそぉタイムスリップ?いま1995年ですよねって!
で、その時思ったんです、午年のボクは何色の馬なんやろうと。
白馬はかっこよすぎ、黒い馬ほど精悍ではないし、
栗毛の馬のように速そうでもない・・・
 
まだらの馬!斑馬やなぁ!
 
そんなことを思いながらその店を後にし、一本の樹も見えない砂漠の風景を楽しみながら
車を進めると、ぽつんと手書きの看板が見えてきました。
 
 

インディアンリザベーション内の写真はプライバシー保護のためこの1枚のみの掲載させていただきます。
 
 
”DAWA’S・ HOPI”
 
でたぁ、博物館に作品が並ぶ
クラスの巨匠バーナード・ダワホヤさんとこやぁ、
ここにあったんかぁラッキーって感じで矢印の方向に向かいました。
着いてみるとどうもお店ではなさそうな雰囲気やし、普通の集落に入り込んだみたいでした。そんな場合は決して押しかけないことが基本と本に書いてありました。
そこは地元の人々の生活の場なんで、よそ者にかき回されたくはないというのは
どこに限らず同じやと納得していましたから、窓を開けた状態で車のエンジンを切り
ただ静かに受け入れてくれるのを待とうと思いました。
 
かなり待つことを覚悟してたんですが、数分経った時、
ダワホヤさんとこのところから1匹のたぶん本当は白い犬
(土埃で汚れてグレーに見える)がゆっくりゆっくり車に近づいてきました。
ボクは少し受け入れてくれたと感じ、静かに車の扉を開け、
その犬君に聞いてみました、
 
「お父さんおるぅ?」って日本語で!
 
もちろんわかったとしても英語でしょうが、
そのほうが伝わる気がしたんです。そして車から降り、
まずその犬君と仲良くなろうと
いろいろ話しかけてると、
 
「「まぁ入りなさい」」
 
えっ、犬がしゃべった・・・、じゃなく、
ダワホヤさんが出てきてくれたんです。
アトリエの入れていただいても自分からジュエリーを
見せてほしいとはいわず、気長に待とうと思ってたら
いろいろ見せてくれるんです。その中から数点気に入ったものが
あるので譲ってほしいと初めて自分からいいましたが、
快く売ってくださいました。
そこで白馬のこと思い出したんでダワホヤさんに聞いてみました、
まだらの馬をアメリカインディアン風英語でいうと
何ていうんですか?
 
「「スポッテッド・ホース!!」」 
 
これが社名になりました。
ちなみにホピの言葉では“ビンドゥ・カワヨウ”というそうです。
 
その後もニューメキシコ、テキサス、アーカンソー、ルイジアナ
エルパソからリオグランデ川を徒歩で渡り、シウダー・フアレス
(メキシコ)にも行きました。
この地帯への旅の経験が、ボクがジーンズと向き合う時の
メインフィルターになっているのは、間違いありません。
 
                                 つづく
 
(有)スポテッドホースクラフト 
大園 英樹
大阪府堺市堺区二条通2-17
TEL 072-229-8155
http://www.spottedhorsecraft.co.jp/
https://www.facebook.com/spottedhorsecraft/

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